ドイツ語勉強に欠かせない独和辞典。
しっかり活用できていますか?
実は言葉の意味以外にも、大切な情報がいくつも書かれているんです。
多くは略して示されているので知らないと見落としがちですが、これを機にきちんと確認するようにしましょう!
辞書の選び方
辞書といっても紙辞書だったり電子辞書だったりいろいろあると思います。
使う目的や、場所、レベルに応じて自分に合ったものを選びましょう。
私が選んだのは有料アプリの辞書。
今使っているのが「クラウン独和辞典」というものです。
アプリにしたのは調べたいときにいつでもさっと調べられることを重視したからです。
スマホならいつでも持ち歩いていますからね。
おかげで街中でちょっと見かけた言葉などもその場で調べることができています。
家で勉強することが多いという方はもちろん紙の辞書も良いと思います。
アプリの中でもクラウンを選んだのは使いやすそうだったから。
正直アンドロイドだと他に選択肢がなかったというのもありますが…
辞書として使いやすいのはもちろん、単語をブックマークしておくことができるので、単語帳のようにも使えて重宝しています。
紙辞書と違って発音も一緒に確認できるのもありがたいです。
ちなみに無料のものだと情報が足りなかったりするので、しっかり勉強したいという方には不向きかと思います。
あとはオフラインでも使えるかどうかも選ぶポイントの1つになります。
地下などネットがつながらない場所もけっこうあって、外で使いたいときに使えないのは不便だからです。
ぱっと見て好感が持てるものを選ぼう!
今回は私が使っているこのクラウンの辞書の表記方法を中心に説明していきます。
他の出版社の辞書であっても、表記方法が似ていたり、もっとわかりやすく表記していたりするので、これさえ知っておけば通用すると思います。
名詞
名詞の性
名詞を調べたらその性を確認して、冠詞の判断をしましょう。
表記方法は次のどれかだと思います。
Vater男、Vater(m)、Vater(r)
→ der Vater
女、Mutter(f)、Mutter(e)
→ die Mutter
中、Kind(n)、Kind(s)
→ das Kind
それぞれ3つ目の表記は冠詞der、die、dasの最後の文字からきています。
名詞の性はドイツ語の基本なので、その都度確認する癖をつけましょう。
格変化形と複数形
名詞が単数2格の場合と複数の場合は冠詞だけでなく名詞本体の形も変わる場合があるので、ここで確認しましょう。
表記方法は「単数2格/複数1格」の順で変化部分が書かれています。
【例】
Vater男 ~s/Väter
→ 単数2格 des Vaters
複数1格 die Väter
女 ~/Mütter
→ 単数2格 der Mutter
複数1格 die Mütter
中 ~[e]s/~er
→ 単数2格 des Kindes
複数1格 die Kinder
~のみの場合や、空欄の場合は形が変化しないということです。
また、形が全体的に変化する場合は、例のように単語全体が書かれています。
ここでひとつ知っておくと便利なのが、男性弱変化名詞の見方です。
男性名詞を調べたときに、「~n/~n」や「~en/~en」のように単数2格と複数1格が同じ形をしていたら、それは男性弱変化名詞です。
男性弱変化名詞はイレギュラーな格変化をするので注意しましょう。
【例】
Löwe男 ~n/~n
→ 単数2格 des Löwen
複数1格 die Löwen
動詞
不規則変化動詞
不規則変化動詞はその名の通り不規則な語形変化をします。
変化に共通ルールがないため、ひとつずつ覚えていかなければなりません。
辞書では単語の右上に「*」をつけることで不規則変化動詞だということを表しています。
やっかいなことに、よく使う動詞ほど不規則に変化することが多いです。
このマークがついている言葉を調べたときは同時に語形変化もチェックするようにしましょう。
【例】
sehen*
完了の助動詞
現在完了形の文章を作る時、「完了の助動詞+動詞の過去分詞」で表します。
作り方としては英語と似ていますね。
違うのは、ドイツ語には完了の助動詞がhabenとseinの2つあり、使い分ける必要があることです。
どちらの助動詞を使うかは動詞によって決まっていて、辞書で確認することができます。
一般的な動詞は完了の助動詞としてhabenを使い、そのような動詞をhaben支配の動詞と呼びます。
辞書では、〔h〕と表記されていたり、これすら表記されていないこともあるようです。
【例】
kaufen〔h〕
→Ich habe ein Brot gekauft.
h〕
→Wir haben in Deutschland gewohnt.
移動や状態の変化を表す動詞は完了の助動詞としてseinを使い、そのような動詞をsein支配の動詞と呼びます。
辞書では、〔s〕と表記されています。
【例】
fahren*〔s〕
→Ich bin nach Italien gefahren.
s〕
→Er ist Lehrer geworden.
目的語の格表記
辞書では省略記号などを使って、例文が短く表記されています。
特にこの目的語の格表記の仕方は、初めて見ると何のことだかわからないと思います。
まず「j」は人、「et」は事物を目的語に取ることを示しています。
さらに右上の数字は何格を用いるかを示します。
例えば「j3」は人の3格を表し、「et4」は事物の4格を表しています。
同じことを「人3」「物4」のように漢字を使って表すこともあります。
また、人の目的語の場合は数字を使わず「jm」(人の3格)や「jn」(人の4格)と表記されていることもあるようです。
これらの省略記号の部分に自分が使いたい言葉をあてはめて例文を完成させます。
【例】
j3 et4 zum Geburtstag schenken
例えば…
→meinem Sohn einen Hund zum Geburtstag schenken
おわりに
辞書には、ドイツ語を話したり書いたりする上で必要な情報がぎゅっと詰めこまれています。
自分の辞書の見方がわからない場合は、巻頭か巻末に省略記号のルールを説明しているページがあるはずなので、一度見てみると良いと思います。
辞書を開いたら隅々までチェックして、よりドイツ語の知識を深めていきましょう!