ドイツ語の名詞には男性名詞、女性名詞、中性名詞というように、それぞれ文法上の性別が与えられています。
日本語にも英語にも無い概念なので、戸惑う方も多いと思います。
ひとつひとつ覚えていくのも大変な作業ですよね。
実はこの名詞の性に、見分け方のルールがあるって知っていますか?
私は勉強を始めてしばらく経ってから知り、もっと早く知りたかったと思っていました。
もちろんルールがあれば例外もあるし、そもそもルール自体が複雑だったりもするのですが…。
それでもこのルールをちょっとでも知っておくと性の判断がずいぶん楽になるので、覚えておくと便利だと思います。
ルール全てを書き出すと余計に混乱してしまうので、今回は比較的覚えやすいものを取り上げていきたいと思います!
男性名詞
・季節【例 Frühling, Sommer】
・月【例 Januar, Februar】
・曜日【例 Montag, Dienstag】
・時間帯【例 Morgen, Tag, Abend】
※die Nacht(夜)は例外
これらの単語は男性名詞です。
時に関係する言葉が集まっている感じがします。
注意してほしいのは、時間帯の中で夜だけ女性名詞なこと。
挨拶も朝昼晩は Guten Morgen. と言うのに対し、夜は Gute Nacht. と言います。
女性名詞
・-e【例 Katze, Blume】
・-ung【例 Kleidung, Achtung】
・-heit【例 Freiheit, Gewohnheit】
・-keit【例 Tätigkeit, Möglichkeit】
・-schaft【例 Eigenschaft, Gesellscaft】
女性名詞は語尾で見分けることが多いです。
特に-eという語尾は覚えやすい上によく出てくるのでおすすめです。
他のものも特徴的な語尾が多いので、「そうかも?と思ったら調べてみる」を繰り返しているうちに、女性名詞に対する勘が働くようになるかもしれません。
中性名詞
・-chen【例 Brötchen, Mädchen】
・色の名前【例 Rot, Blau】
・動詞の不定詞が名詞化したもの【例 Essen, Lesen】
中性名詞の判断で有名なのは-chenという語尾かと思います。
ちなみにこの-chenは小ささを表現するときに使われる語尾です。
例えばBrot(パン)とBrötchen(小さいパン)では、表すパンのサイズが違います。
動詞の不定詞が名詞化したものというのは、動詞の原形(辞書に載っている形)が同じ綴りでそのまま名詞にもなっている単語のことを指します。
例にあるEssen(食事)は動詞essen(食べる)が名詞化したものです。
ただし名詞になると頭文字が大文字になるので注意してください。
その他
人の性別が影響
・職業名【例 der Arzt(男性医師), die Ärztin(女性医師)】
・出身国【例 der Japaner(日本人男性), die Japanerin(日本人女性)】
これらの単語は実際の人の性別によって形が少し変化します。
多くの場合、男性形の語尾に-inを付ければ女性形になります。
ただし例のようにウムラウトに変化したりすることもあるので、正しい形を辞書で確認するようにしましょう。
複合語
複合語とは2つ以上の名詞がくっついて新たな名詞になったものです。
この場合、後ろに来た方の単語の性別がその単語の性別として採用されます。
例えば制限速度が無いことで有名な高速道路「アウトバーン」は、
das Auto(自動車)とdie Bahn(道)の複合語でdie Autobahnです。
後ろに来ているBahnが女性名詞なので、複合語としても女性名詞になります。
これは名詞が3つ以上つながっても同じです。
ドイツ語にはいくつも名詞をつなげて作られた長い単語がありますが、最後の単語の性さえわかれば全体の性がわかるという仕組みです。
便利なので覚えておきましょう♪
おわりに
以上のルールを少し知っておくだけで、名詞の性に対するハードルが少しだけ下がると思います。
覚えやすそうだなと感じたものだけでも頭の片隅に入れておいてください。
忘れてはいけないのが、それぞれ例外があるということ!
新しい単語に出会ったときは、ルールに頼り過ぎず辞書で確認するようにしてください。
私は一部しか覚えていませんが、ここで紹介した以外にもたくさんのルールがあります。
もっといける!という方はぜひ詳しく調べてみてはいかがでしょうか。